「市が多額の支援を行う第三セクターについて②」
「市が多額の支援を行う第三セクターについて③」
の続きです。再質問の質疑です。
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【Q】
県の施設「尼崎スポーツの森」がすぐ近くにあります。西宮市民は県民でもありますが、公設の類似施設が近くに2つも必要ですか。
【A】
平成18年に開業した「尼崎スポーツの森」は、様々なスポーツ施設やレジャー施設を有しており、県がPFI事業により整備し、指定管理により運営されております。 一方、平成4年に開業したリゾ鳴尾浜は、厚生労働大臣が認定した運動療法施設として、市のスポーツ奨励事業などと連携して、プール・天然温泉・フィットネスの各施設を統合的に運用しながら、市民の健康の増進に寄与するイベントやプログラムを年間を通じて実施しており、一部類似した施設はございますが、設置の目的や運営内容に異なる点も多くあると考えております。 市といたしまして、単なるレジャー施設ではない健康増進施設として、リゾ鳴尾浜は今後とも必要な施設であると考えております。
【意見】
「一部類似した施設はございます」と答弁してますように、類似した施設を県と市が税金を使って競合して運営する必要はないということを指摘しておきます。
〇市は一平成28年度一般会計から約8,500万円の維持補修費を負担
〇建物、駐車場使用料約1.1億円の使用料を免除
これが会社の財務に反映されない。
〇試算による売電額646万円の蒸気を245万円で提供
〇本来であれば、会社が支払う社長報酬は無料
何とかこれで出る利益が629万円です。 市に帰ってきたのは約336万円。
言い換えれば、家賃はただ。建物の修繕費もただ。黒字のときだけ売上の1%くれたらいいよという破格の条件です。それも社長報酬が無償でなんとか利益がでる程度です。普通であれば、まずありえません。リゾを所有する市が多額の負担を負うことで、会社が存続する。会社がリゾを所有していたら、在り方をどうするか議論が進むと思いますが。
【Q】
リゾと会社を一体にして実態を見えやすくするため、リゾを会社に売却もしくは譲渡して、一般会計からの負担をなくすべきではないか。
【A】
リゾ鳴尾浜の建物を会社に売却して市の負担をなくすべきとのご指摘ですが、リゾ鳴尾浜設立時点の出資者間の協定により、都市計画公園施設としての整備と維持管理は市が公営で行い、その施設の中で民間の会社が施設を運営していくことが基本的なスキームとなっておりますので、施設の維持管理は本来的な市の責務と考えております。 また、すでにご申し上げておりますように、施設の修繕工事等も控えておりますので、そのような現状に鑑みますと、リゾ鳴尾浜の施設を現状の第三セクターを含めて、民間に売却することは実現困難と考えております。
【Q】
基本協定や覚書きでは市が圧倒的な負担を負うことになっているが、昨今、公共施設の維持管理費をどう確保するか大きな課題です。リゾと会社が設立されたのはバブルが終わりかかってる頃なので、その前、つまりバブルの頃に当時は景気も良く震災前で市の財政状況はとてもよかった時代です。そんなときに計画されたと思われますが、現在課題となっている将来にわたる長期的な期間の修繕補修費の負担について当時、協議されましたか。

【A】
長期的な修繕補修費等について、リゾ鳴尾浜の設立当時に協議されたかとのお尋ねでございますが、このような施設を新規に設立せる際には、将来的な維持補修費についても十分検討があったものと考えております。また、当時の議事等を見てみますと、「事業計画を検討していくうえで、市の関わり方について慎重に研究していく。」などの発言もございますので、先ほど申し上げましたように、施設を市の都市計画公園施設として維持管理していくことについては、十分議論されたうえで、事業のスキームを決定したものと考えております。
【Q】
当時とは市が取り巻く環境は変わっています。現在のままでは同出資率の阪神電気鉄道と比較して市がますます多額の維持負担が必要となります。基本協定や覚書を見直すべきではないですか。
【A】
基本協定の前提となる事業のスキームそのものを変更することは考えておりませんが、リゾ鳴尾浜を取り巻く周辺状況や社会情勢が変化していることを踏まえ、今後、基本協定や覚書の内容について出資者間で会社の運営や費用負担を含め協議してまいりたいと考えております。
【Q】
根本的に改善する気もないようなので、最後に市長に確認します。 所信で「民間の事業者で経営できるものを、市役所が経営する必要はありません。」とありますが、近隣、市内に類似の施設がある中で、今後、市が多額の負担を負ってまでリゾの維持と会社の経営に関与する必要がありますか。
【A】
今日までの経緯を咀嚼してということがついてまいります。今までリゾ鳴尾浜は子供を連れて何度か行ったあそこの鳴尾浜のという認識が強かったのですが、議員から質問をいただきまして、これもまたしっかり見ていく大きなテーマだなという思いを強くしたところです。今の段階ではこうした答弁ということでご理解いただければと思います。
【意見】
あらためて、会社を維持するために多額の税金でリゾを維持しようとしていること、そして、改善の見込みがないことがわかりました。一刻も早く廃止も含めて将来的なリゾの施設のあり方及び方向性を示すべきだと指摘しておきます。
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前向きな答弁はありませんが、市長にこの施設と会社の実態について理解していただけたと思います。次回は最終回です。
「市が多額の支援を行う第三セクターについて⑤」