前回「待機児童数の地域差について」
に続く待機児童対策関連の質問と答弁です。
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企業主導型保育事業について
【Q】
企業主導型保育事業とは国(内閣府)が推進している事業です。従業員が利用する「従業員枠」と地域に住んでいる方が利用する「地域枠」を設けて運営することができます。企業主導型保育事業は仕事と子育てとの両立に資することを目的としており、働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスの提供や、延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用なども園によっては可能です。新たなニーズに対応できる企業主導型保育事業は今後の待機児童対策として有効と考えます。
しかし、今年度4月入所において、利用保留児童のうち企業主導型保育所へ入所した人数はわずかとのことでした。企業主導型保育事業は国からの助成金によって運営されるため認可外となります。利用手続きも異なり認可保育所は市へ、企業主導型保育所は保育所へ直接申し込みます。市にとって認可外であっても、地域枠や空き状況などを定期に把握し、保護者への情報提供をはじめ、利用促進に取組む必要があると考えます。市の見解は?
【A】
「企業主導型保育事業」は、事業主が市による計画的整備とは別枠で整備可能で、設置や利用の際に市の関与を必要とはしませんが、待機児童解消のために地域枠も説定できる事業となっております。 平成30年4月の保育所等の利用調整時においては、開園している情報を掴んでいる企業主導型保育事業に対して、市担当者が直接電話をして空き状況の確認を行いましたが、結果として空きはありませんでした。また、4月開園予定の施設については、近隣の保育所を入所保留になった方には、窓口やお電話でご案内できるよう情報共有を行っておりました。 現在も本庁舎1階の10番窓口や本庁舎7階の入所申請窓口で保育所入所の申込み等の際に、認可外保育施設の情報を希望される方には、企業主導型保育事業も含めた認可外保育施設情報の提供を行っております。 平成30年度以降、企業主導型保育事業施設数は増加しておりますので、随時施設情報を更新して提供を行うなど、よりきめ細やかに対応してまいります。
保育士確保について
【Q】
保育士確保の手段の1つとして、2016年12月定例会一般質問で保育士の処遇改善を提案しました。その際の答弁は、「安定的に保育士を確保していくためには、民間保育所に勤務する保育士の給与水準をいかに引き上げていくかということが処遇改善策における大きな課題であると考えており、今後、国の動向や他市の動き等も参考にしながら対策を検討してまいります。」というものでした。
昨今、保育士確保のために、市独自の施策や独自で保育士の処遇改善に取組む自治体が増えています。本市の特性を鑑みると、神戸市や大阪市と比較して劣らない独自の施策及びそれを効果的に広報する必要があります。 前回の答弁内容も踏まえて、今後、市は保育士確保にどのように取組むのか。
【A】
保育士の確保につきましては、全国的にも深刻な課題となっており、阪神間におきましても、ここ数年厳しいものとなってきております。
これまで、保育士確保のために市としては、国の処遇改善の取り組みを着実に行いつつ、「保育士就職フェ ア」や「リクルートバスツアー」の開催、また、保育士の宿舎借り上げ支援事業の導入・実施を行ってまいりました。今後は、これらに加えて、本市独自の施策を行っていくことも必要であると考えており、今回、市独自の取り組み策として「保育士奨学金返済支援事業」をこの6月市議会に提案させていただいております。
この事業は、市内の民間保育所等に就職した保育士が奨学金を返済するために要した費用の一部を市が助成することで、就職後の経済支援を行い、保育人材の確保や定着及び離職防止を図ることを目的とした事業であり、近隣市と比較しても有効な保育士確保事業であると考えております。 事業実施にあたっては、効果的な広報を行うことで、この新規事業を有効に活用した保育士確保を行っていきたいと考えております。
なお、市独自の待遇改善については、国の動向も注視しつつ検討する必要があると考えておりますが、保育士確保における広報につきましては、先進都市等が実施している手法について積極的に研究を進めていきたいと考えております。
「計画通りに進捗していない待機児童対策について」
に続きます。