無償化により幼稚園に待機児童が発生しないのか。まずは現状の把握が必要ではないかという観点から質問しました。現状の把握なくして対策のとりようがないですからね。以下、質問項目とその背景です。
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政府は幼児教育・保育の無償化について2019年度にまず5歳児を、2020年度に3歳児、4歳児と低所得世帯の0~2歳児を対象とする方針を表明しています。しかし、認可保育所に入所を希望しながら待機児童となり、やむを得ず認可外保育施設を利用する場合の支援対象をどうするかなど、検討課題は残されています。
待機児童数が多い都市部では、無償化の前に保育所入所を希望する児童全員が認可保育所に入所できるようにすることを優先すべきという声もあります。
本市では今年度4月1日時点で323人の待機児童が発生しています。そのため、昨年度から待機児童対策として、1,500人の受入枠拡大に取り組んでいます。計画では2019年4月時点の待機児童数はゼロになる見込みです。
国が無償化に向けて動きはじめたことにより、保育所の待機児童問題が再びクローズアップされていますが、無償化された場合、同じく無償化の対象である幼稚園に入園できない児童(以降、幼稚園の待機児童とします)は発生しないのでしょうか。
保育所を利用するためには保護者が仕事をしている=就労などの要件が必要です。しかし、幼稚園は保育所と違い、保護者の就労などの利用要件がなく、希望すれば全ての児童が入園することができます。幼稚園が無償化された場合、最近の新聞報道では2万5700円を上回る金額は自己負担という方針のようですが、現在、家庭で育てられている児童が全て幼稚園への入園を希望することも考えられます。
資料をご覧ください。

今年度4月時点の数値をもとに最大で幼稚園需要がどれくらい増加するかを試算しました。家庭で育てられている3歳児、4歳児、5歳児の数から、希望する保育所に入所できなかった利用保留児童数、つまり保育所を利用したい児童数を引くと3歳児632人、4歳児252人、5歳児205人。これだけの幼稚園需要が増えることが考えられます。
現在、西宮市内では、子育て世帯の増加及び児童数の増加により、地域によって希望する幼稚園に入園することが難しい状況があると聞きます。そのような状況で無償化により需要数が増加した場合、その数を受け入れることは可能なのでしょうか。地域ごとの幼稚園の利用数や家庭での保育の状況を把握しなければ、無償化されても、需要が増えた人数を既存園で対応できずに、保育所同様に幼稚園の待機児童が発生する可能性があります。
【Q】
①1,500人の受け入れ枠拡大計画の進捗はどのようになっているか?
②2019年4月までに1,500人の受入枠を拡大し、その時点で待機児童数がゼロになっても、3歳児、4歳児の無償化は翌年の2020年度からである。現在の計画終了後も2020年度に向けた計画が必要ではないか?
③認可保育所の利用状況など保育需要はすでに校区毎に把握されているが、今後、幼稚園の待機児童を発生させないために、幼稚園や家庭での保育の状況も地域ごとに把握すべきではないか。

へ続きます。