渡辺けんじろう|西宮市議会議員|保育士経験を市政に|日本維新の会|(わたなべけんじろう)

学習塾講師など民間企業勤務や保育士を経て西宮市議会議員2期目です。

保護樹木について②

保護樹木について①
の続きです。
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【質問】
「地域住民とのトラブルがないといった適正な維持管理」など、所有者の管理責任と市がどこまで管理を手伝うのか、管理役割を協定書等により明確化して、既存の樹木等への保護指定を続けるべきではないか。


【答弁】
自然と共生するまちづくりに関する条例において、市街地又はその周辺に所在する樹木および樹林で美観風致を維持するために、保全することが必要と認めるものを保護樹木及び景観樹林保護地区(以下保護樹木等と言います)に指定しています。現在、保護樹木は152本、景観樹林保護地区は26箇所あります。

本条例においては、保護樹木等の所有者や占有者に対し、保全義務を定め、市は、それらの保全に必要な助成措置を講ずることができると定めています。所有者の管理責任についてですが、現在の保護樹木等は指定から相当の年数が経過していることや指定された当時と所有者や占有者が変更されている場合もあり、保護樹木等の管理の責任全てを市が負うべきであるなどの誤解が生じてきているケースもございます。市ではこのような誤解が生じないよう、管理の責任は所有者や占有者にある点、また、市はあくまでも保護樹木等の保全上必要な措置を助成している点など、様々な機会を通じ周知しているところです。

現所有者に対し、今後、新たに協定書等の書面を取り交わすことや、民事上のトラブルを市が認定し、保護樹木等の指定を解除することは、現状では困難と考えております。しかし、指定から一定期間を経た所有者へは、指定の更新の意思確認を行うとともに、その機会にあらためて所有者や占有者が責任を持って管理に努めていただくよう啓発をいたします。

また、相続などによる所有者の変更時においては、指定の更新の意思確認に加え、役割分担などを明確にした協定書等を交わすこと、新規の指定については、隣接地居住者などへのヒアリングを実施することなども現在検討しており、 さらに所有者や占有者の責任の範囲について、ご理解いただくよう周知して参りたいと考えております。 


【質問】
他の自治体同様、日常管理以外の経費を所有者からの申請に応じて補助する方式へ変更すべきではないか。


【答弁】
現在、市では、所有者や占有者から相談のあったものなどの内、特に安全上対応が必要または、緊急性を要する措置、困難な剪定作業、樹木の知識を要する高度な技術的判断に基づく作業などについては、市街地において貴重な緑を
積極的に市が関わって守って行くための必要な措置として市が費用負担しております。しかしながら、これらの作業は高額となる場合があり、全てに対応しきれないのが現状です。


議員ご指摘のように、同じような制度がある他の自治体では、作業の助成費に限度額を設けたり、負担割合を設定するなど所有者への一定負担を求めております。本市においても、現在、他の自治体の事例を参考に、作業類型ごとの負担割合や一定負担を設けた場合のメリットとデメリットを検証し、実施に向けて検討しているところです。



今後とも、適正な負担の在り方について検討しつつも、良好に保護樹木等の保全が図られるよう適切な対応に努めて参りたいと考えております。


【意見・要望】

保護樹木を切ると言うと、自然保護の観点から切らないでと言われることが多いのですが、一方で、樹木によって困っている人がいること、また、答弁にある「保護樹木等の管理の責任全てを市が負うべきであるなどの誤解が生じてきているケース」があることから、このまま誤解が増えれば市が人的、費用面での関与がますます増えて、民法や条例の趣旨と異なる状況が広がっていくのではないかと思い、今回取り上げました。

この件について、適切な状況にしなければならないという市の強い意識がわかりましたので、法律や条例の趣旨にのっとり、保護樹木等が市民の理解のもと適切に管理されるように取り組んでください。