保育所等待機児童対策について②
保育所等待機児童対策について③
の続きです。
保育士の待遇改善について
【質問】
大阪市のHPからの抜粋ですが、大阪市では3階層ごとに年齢、勤続年数による公私間の給与差を分析しています。例として、係員級の大阪市保育士と民間の役職をもたない一般の保育士で、年齢25~34歳かつ勤続年数5~9年の場合、公私の平均給与差は53,941円です。

保育士の給与改善に関しては、
〇国の制度によるところが大きい
〇財源をどうするか
という課題があるとは言え、民間保育士の給与面での待遇改善は、公私間格差の解消という観点から取り組むべきと考えますが、本市における保育士の公私間の給与差を把握していますか。
【答弁】
公立、私立の処遇格差は、両者の平均値比較として、公立保育所の保育士では、平均35歳、勤続約10年で年間給与約530万円となっているところ、民間保育所の保育士では、平均29歳、勤続約6年で年間給与約350万円となっております。平均勤続年数の違いを考慮したとしても、民間保育所に勤務する保育士の給与が、公立保育所に勤務する保育士の給与に比べて、相当程度低いものになっていると認識しております。
そのため、公立保育所の運営経費の圧縮について、どのような手法が適切かの検討をしていくとともに、民間保育所の勤務条件の改善に取り組んでいかなければならないと考えております。
安定的に保育士を確保していくためには、民間保育所に勤務する保育士の給与水準をいかに引き上げていくかということが、処遇改善策における大きな課題であると考えており、今後、国の動向や他市の動き等も参考にしながら対策を検討してまいります。
【意見・要望】
「平均勤続年数の違いを考慮したとしても、民間保育所に勤務する保育士の給与が公立保育所に勤務する保育士の給与に比べて、相当程度低いものになっていると認識しております」
「安定的に保育士を確保していくためには、民間保育所に勤務する保育所に勤務する保育士の給与水準をいかに引きあげていくかということが、処遇改善策の大きな課題の一つであります。今後、国の動向や他市の動き等も参考にしながら対策を検討してまいります」
との答弁から、保育士の確保のために、公私間の待遇格差を改善する必要性をお持ちだということがわかりました。
現在、公立保育所に勤務する公務員保育士の給与表は一般の行政職公務員と同じです。行政職と保育士がおなじというのは、職種の実態と合っていないと考えます。職種の実態と合致する保育士独自の給与表を作成し、その結果として、財源が発生するのであれば、それを民間保育士の処遇改善に使うといったことも検討すべきです。大阪市ではそのために、公私間の給与差を詳細に把握していますが、こういった取組をはじめ、先進的な事例の手法や効果等について、詳細に研究することに加えて、それらの事例を本市で実施するかどうかの判断も早期にしてください。
現在、市が取り組んでいる保育士確保に向けた対策ですが、市独自で実施しているものは保育士就職フェアとバスツアーくらいで、それが効果を発揮していることは存じていますが、他市でも同様の取組みをはじめているようですし、宿舎借上げや資格取得等費用の補助をはじめ国や県の補助ありきや通知によるものが主です。新卒保育士、潜在保育士だけでなく、現在、現場で働いている保育士の方々が西宮の子供達に安心して向き合っていくためには、長く働ける環境づくりが必要です。そういった観点から市独自での処遇改善にも取組んでください。
保育所等待機児童対策について⑤