



<質問>
老人福祉法に定める老人福祉センターA型であるかぶとやま荘は市内在住の60歳以上の高齢者、障害者、母子家庭等の方を対象とした、温泉、カラオケ、将棋、囲碁等を楽しむことができる「日帰り保養施設」です。西宮市社会福祉協議会が設置・運営し、運営に対して補助を行っています。
かぶとやま荘の平成26年度の利用者数は高齢者23,027人、障害者38人、母子等36人、その他433人の合計23,524人で、高齢者の利用数がほとんどを占めています。 平成26年度に行った調査によると、高齢者の利用者が2,174人で、H26.03.31住民基本台帳人口における60歳以上の人口は133,426人に占める利用人数の割合は1.63%であり、リピーターのとして利用する割合が高く利用者が固定化しています。
1回の利用料金は200円、単純計算では利用者収入は約470万円となります。 一方、市が運営補助として支出する額は約5,500万円です。差し引きすると、毎年約5,030万円の赤字状態です。受益者負担では補いきれない状態です。この施設は昭和54年に建設されてから築36年を経過しており老朽化が進んでいます。平成27年度に行った建物診断の結果によると、2035年までの20年間で、約3億4,890万円が必要となります。単年度にすると、今後毎年約1,700万円が更に必要となります。運営補助の約5,500万円と合わせて、毎年約7,200万円の費用を市が負担することになります。
対象者に広く利用されていないだけでなく、受益者負担で補えない費用を負担している現役世代の市民も含めて、かぶとやま荘の認知度や将来的なニーズがどれだけあるのかも不明です。 今年度行っている耐震診断の結果によっては更に費用が増加することも考えられます。 今後の運営補助事業の在り方についてどのように考えていますか。
<答弁>
かぶとやま荘はご質問にありましたとおり、昭和54年に建設されて築36年を経過しておりますことから施設の老朽化が進み改修工事が必要となっております。昨年、施設の建物診断を行ったところ、改修工事を行うといたしますと、今後20年間で約3億5000万円の費用が必要と判明しました。
さらに、今年度は耐震診断を行い、耐震工事を行うためにどのくらいの費用が必要になるのかを現在調査しているところです。かぶとやま荘の今後のあり方につきましては、改修、耐震に必要な工事費、運営にかかる費用や利用者の推移を見究めながら設置運営者であります西宮市社会福祉協議会と早急に協議を始めてまいりたいと考えております。
<要望>
かぶとやま荘は立地的に利用しやすい施設であるとはいえません。対象者以外に誰でもできる第2、第4日曜日の「ふれあいの日」に施設に行ったことがありますが、印象的なのが機能回復訓練室です。この部屋の中には、エアロバイク、ビリヤード台、卓球台などがあり、何らかの機能回復効果はあるのかもしれませんが、これが医療的観点から見て費用対効果のある機能回復訓練なのかどうかわかりません。
事業がはじまった当時と比較して、市内には芦之湯やスーパー銭湯のような入浴施設やカラオケができる施設も増えており、事業がはじまった当時から社会状況も変化しています。集まって何かをするということで言えば、市内各地に公民館や市民館など代替できる施設が複数あります。
市内各地に民間でも同じことをしてる施設や代替の施設があることを考慮すると、例えば、そういった市内の民間施設の利用に対して補助を行う方が対象者にとっても利用しやすいでしょう。また、健康ポイント制度といった健康維持に効果がある事業、予防医療効果の高い事業のような時代のニーズにマッチした事業へ切り替えることも含めて今後の在り方を検討してください。