第2章では、緑の保全に関する施策として保護樹木についての条文を定めています。保護樹木は市街地やその周辺に所在しており、美観風致を維持するため保全することが必要である樹木を対象として、現在155本、24樹種が指定されています。
<質問>
標識の設置についての第25条では、標識を設置しなければならない。
2項 正当な理由がない限り前項の標識の設置を拒み、または妨げてはならない。 となっています。
〇正当な理由により保存樹木の標識が設置されていない箇所はありますか。
〇設置をしていても道路から標識が見えなければ、保護樹木であることを周知することができませんが、その場合近隣住民に対してどのように周知していますか。
<答弁>
この条例によって指定されている保護樹木は樹木所有者、地域の方々の理解と協力のもと、今日まで大切に保存されてきたものです。
ご質問の「保護樹木の周知」についてですが、保護樹木の標識は条例にもとづき、全ての保護樹木に設置しております。しかしながら樹木の立地している地点が所有地境界から遠い場合は敷地内の樹木の根元に設置していることが多いため、道路などから確認しにくい場合があります。現在、貴重な樹木を次の世代に引き継ぐ事を目的としたホームページで小学校区別に種類、大きさ、写真を掲載し、WebGIS情報で位置がわかるようにしております。 ホームページ以外の広報は行っておりませんが、今後、環境学習関連のパンフレットや小学校への広報、さらに地域への回覧などで地域の方々へ愛着を持っていただくよう周知してまいります。
<質問>
保護樹木等の保全義務についての第29条では、
所有者等は、保護樹木又は景観樹林の保全及び管理に努めなければならない。
2項 事業者及び市民は、保護樹木等について理解と関心を深めるとともに保護樹木等の保存に協力しなければならない。となっています。
保護樹木の落葉が隣接住居の敷地内に落ちた場合、その清掃を行うのは樹木の所有者ではなく、隣接住居の住民です。これを負担に感じるケース、また、強風の際、枝落下や成長した樹木による建物損害に対する不安を住民が感じているケースがあると聞きます。
〇保護樹木、その枝や根の状態など市はどのように把握していますか。どのくらいの頻度で調査をおこなっていますか。
〇保護樹木により、個人、その財産に対して被害が発生した場合、対処する責任は樹木の所有者、指定した市のどちらにありますか。
〇隣接住居の住民が協力を超えて清掃を負担に感じる場合や建物損害等の不安を感じている場合、どのように対応していますか。
〇多くの樹木が指定されてから年月を経ており、所有者の事情や近隣の状況が大きく変わっています。所有者を対象として保護樹木の管理に対する問題を、そして、隣接する宅地、集合住宅の各住人に対して、落ち葉等による影響や枝落下などの不安事項について、アンケート調査を行い課題の現状把握をするべきではないでしょうか。
<答弁>
「保護樹木の状態把握と、近隣の方への対応など」についてお答えします。
保護樹木は昭和48年に指定されたものが大半で、指定当時からは大きく周辺環境も変化しております。市では、平成20年度に、樹木医による健全度・危険度調査を実施し、また、住宅に隣接する保護樹木については、毎年、職員による目視調査を行い、落ちると被害をもたらしかねない危険枝を、未然に発見し除去するなど、樹木所有者と協力し、安全対策を図っております。また、枝の落下などで被害が出ることも考えられますが、損害が発生した場合は、基本的には、日常管理の責任者である樹木所有者の責任となります。
しかしながら、保護樹木の保全上必要な措置やまた、多額な費用負担となる巨木の剪定、高度な技術的判断が必要な作業については、保護樹木の指定者である市で実施しております。さらに、日常発生する落ち葉に関しましては、近隣の方々の要望を踏まえ、樹木所有者と協議しながら、落ち葉を減らす剪定を実施するとともに、住宅の樋清掃などを行なうなど、近接地の方々の負担とならないよう努めております。
現在、ほとんどの保護樹木が、樹木所有者と近隣地の方々との間において、越境枝の状態を調整しあう等の管理を実施しているため、おおむね良好な関係が維持されていると認識しておりますが、侵入した根が隣地の塀をいためる事例や、一定の対策後も依然として近隣地への落ち葉の被害が残っている等、現在も調整中の事例もございます。
従いまして、課題の把握方法については、管理の現状において、調整中のものも含め、おおむね把握していると考えており、現時点ではアンケート調査は考えておりませんが、通報などを受け現地調査の際には、しっかり聞き取りをし、課題の把握及び適切な対応に努めて参りたいと考えております。