昭和63年からの実施要綱において「西宮市国民健康保険の被保険者の健康づくり意識の向上及び生活習慣病の予防を図り被保険者の健康の保持増進に寄与するために、人間ドックの受診費用の一部を助成することに関し必要な事項」が定められています。要綱第3条では、西宮市立中央病院、北口保健福祉センター健診施設、西宮健康開発センターを事業実施の指定機関と定めています。
平成26年度、人間ドック助成事業は指定機関3ヵ所合計で3,328件でした。染殿町にある西宮健康開発センターでは立地条件が良いこともあるでしょうが、助成件数が平成25年度から平成26年度にかけて、115件増加しています。
総件数の内、胃部X線検査が含まれるコースは、市立中央病院では1,002件。平成25年度から平成26年度にかけて件数がほぼ同じであるのに対して、西宮健康開発センターでは1,121件。88件増加しています。
厚生労働省の平成28年2月4日付の通知「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の一部改正について」の指針改正で、胃がん検診の健診項目が、改正前は「問診及び胃部エックス線検査」でしたが、
改正されて、「問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかとする。市町村は、胃部エックス線検査及び胃内視鏡検査を併せて提供しても差し使えないが、この場合、受診者は、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかを選択するものとする」
となりました。このことは、内視鏡検査受診の需要の高さを証明しています。
話は戻りますが、人間ドックのコースに胃部X線検査が含まれる場合、X線検査を胃カメラでの内視鏡検査に変更することができます。X線検査を内視鏡検査に変更する場合の受診日予約について、市立中央病院と人間ドックを実施している市内の医療機関のいくつかに問い合わせたところ、1か月先であれば、ほぼ予約できる状態でした。一方、西宮健康開発センターでは予約がほぼ1年先とのことでした。人間ドックを受診する理由は、「健康づくり意識の向上及び生活習慣病の予防を図り、被保険者の健康の保持増進に寄与するため」であり、自覚症状のない病気を早期に発見して、早期に治療する目的からも、予約が取りづらい状況は問題です。
平成25年度の国民健康保険加入者の人間ドック受診率の実績は西宮市全体で平均4.5%でした。北部地域においては塩瀬地区の受診率が5.5%と高いのに対して、山口地域は2.9%と低い状況でした。そのため、来年度、山口地域において医療機関1ヵ所が人間ドックの助成事業指定機関に追加されます。一方、南部地域においては、人間ドックを受診できる医療機関が数か所あるにも関わらず、人間ドック助成事業により、内視鏡検査を受診する場合、実質、市立中央病院しか選択肢がありません。
【Q1】
来年度以降、西宮健康開発センターでの内視鏡検査の受診体制は改善されるのか。
【A1】
現在、本市の国民健康保険は、西宮市立中央病院、西宮健康開発センター、及び北口保健福祉センター検診施設の3施設での人間ドックにかかる費用を助成の対象としております。コースは3施設で合計14コースありますが、このうち内視鏡による胃部検査を受けることができるのは、合計10コースとなっております。 しかしながら、内視鏡による胃部検査を含むコースは人気が高く、受診者が希望する日時によっては予約がとりにくい状況となっております。このような状況をふまえ、西宮健康開発センターにおいて、平成28年度より内視鏡による胃部検査を実施する日数を拡充することについて検討いただいているところです。
【Q2】
市内に人間ドックを実施している医療機関があるにも関わらず、なぜ、助成事業指定機関が公立病院と一部の機関に限定されているのか。その経過についての説明を。
【A2】
人間ドックの助成事業は、市独自の事業として、昭和63年9月から西宮市立中央病院と西宮健康開発センターを対象に始まりました。その後、平成20年5月から北口保健福祉センター検診施設でもドックが開始されたことに伴い、これを助成対象に追加し、現在に至っている状況です。
続きます・・・