【質問】
「西宮市子供の居場所づくり事業について」お尋ねします。
近年、顕著化している、子供の育ちや子供を取り巻く環境などの課題に対応するための継続的な事業の必要性からはじまったこの事業は、今年度、安井、小松、甲東小学校の3校でモデル開催されており、現在、1日平均で約100人の児童が利用しています。視察に行った際、異なる学年のたくさんの児童が、いっしょに元気に遊んでいたことが印象に残っています。
「放課後の小学校の校庭や校舎内に子供の居場所となる活動場所をつくり、子供の自主的な遊びや学習を通して子供の育ちを支援する」という趣旨に私は賛同しています。
そのうえで、この事業は今年度予算が約2093万円です。嘱託員であるコーディネーター、サブリーダーであるシルバー人材センターからの派遣に対する委託費、有償ボランティアへの謝金など、ほとんどが人件費です。現在は3校ですが、来年度以降、全校展開する場合、単純計算で、最大、約2億8000万円の事業となります。また、明確な効果の検証が難しい事業でもあります。
そこで2点おたずねします。
1点目、全校展開する場合、事業予算をどの程度見込んでいるのか。
2点目、 視察した際、セキュリティ面に関していくつか気になりました。学校内へ入りやすいこと、スタッフの意識が児童に向きすぎており、不審者の侵入にとっさの対応ができるのかという点です。スタッフの立ち位置を見直して、校門から運動場までの導線にスタッフを配置する、来訪者へのスタッフ側からの声かけの徹底、ネットランチャーの設置など、少しの工夫で改良できる点があります。それを踏まえて、今後のセキュリティ対策や危機管理をどのように考えているのか。
【答弁】
現在、3校のモデル実施校において、子供の育ちに対する事業効果のほか、学校や留守家庭児童育成センターとの調整に関する
課題などについて検証を進めているところであり、今後の拡充に向けた詳細については、検証結果を踏まえ、検討しているところです。
事業の全体予算につきまして、今年度のモデル実施では、1校当たりの経費が約700万円となっております。
本格実施に向けては、最小の経費で最大の効果が得られるよう、事業の実施内容や人員の配置も含め、見直しを進めているところです。そのため、現在の経費で全校実施した場合に比べて、総事業費につきましても縮減できるものと考えております。
次に、後のセキュリティや危機管理対策についてですが、現在、不審者の侵入については校庭や屋内の事業実施場所に数名の見守りボランティアを配置しておりますので、一定の抑止力につながっていると考えております。
また、見守りボランティアの配置が目立つよう緑色のベストを着用するとともに、緊急時には、周りに危険を知らせ、応援を呼ぶためのホイッスルを、常に携帯しております。さらに、安全対策に関する研修を実施するなど
見守りボランティアの危機管理意識を高める取り組みも行っております。今後も効果的なボランティアの配置の検討や不審者侵入を想定した訓練を実施するなどさらなる安全対策の強化に努めてまいります。