渡辺けんじろう|西宮市議会議員|保育士経験を市政に|日本維新の会|(わたなべけんじろう)

学習塾講師など民間企業勤務や保育士を経て西宮市議会議員2期目です。

計画数に未達の福祉事業所等運営指導がどう改善されるのか?

市役所から市役所筋を北にいった兵庫県西宮庁舎の食堂にあるチキンカツ定食。画像にある縦に並ぶカツの下には横に並ぶカツが隠れています。おかずも複数でボリューム満点です!



代表質問の報告、今回は計画数616に対して383と実績が全く達成されていない福祉事業所等運営指導他適正化事業についてです。増え続ける需要の一方で人材不足、介護報酬の改定など不安定な環境下において、運営指導によりどれだけ環境改善が図られるのかという趣旨の質疑です。

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介護事業者について、2024年度の介護報酬の改定、人手不足、物価高騰などにより収益環境が急激に悪化しています。東京商工リサーチの調査によると、24年の介護事業者の倒産件数は過去最多の172件で介護保険法が施行された2000年以降で最多となっており、特に訪問介護を中心に倒産件数が増えています。

本市では昨年、市内の医療法人社団の事業所において3600万円の不正受給が発覚し、11月1日付けで指定を取り消すこととなった。本市以外にも、介護報酬に関する不正受給が発覚し、行政処分をうける事案が散見されます。扶助費の増額による財政の圧迫と介護保険料の増加が続くなか、このような案件は介護サービスの質の低下と指定業務を担う自治体への信頼低下にもつながります。

令和5年度の運営指導の実績ですが、対象事業数2489のうち計画では616事業所でしたが、実績は383事業所にとどまっています。


【Q1】
直営に加えて業務委託による運営指導をとりいれることによって未達の実績をどの程度改善する見込みか。


【A1】
市では、市内の福祉事業所に直接訪問し、事業所の運営状況や介護報酬等の請求状況等を確認する「運営指導」を実施していますが、市内の福祉事業所数が増加を続けていることや、不正受給等の重大案件の増加により、現在の体制では運営指導の計画数を満たせなくなっているため、令和7年度より、運営指導の一部を外部に委託するものです。

本事業では、市が実施すべき運営指導のうち、例えば、令和6年度の年間運営指導計画数は674件となっておりますが、そのうち市が474件、受託業者が200件を実施するといった割合で導入し、令和8年度以降は効果検証を行いつつ委託規模を拡大していき、より確実に実施計画数を満たしていくことといたします。


【Q2】
直営と業務委託による指導が混在することで指導に差が発生させないこと、また相互関係でより適切な指導に改善していくことが不可欠だが見解は。(質の担保)


【A2】
市と受託業者とで、確認すべき項目のリスト化・マニュアル化を共同して行い、確認方法のすり合わせを行うことで、運営指導の均質化を図ってまいります。


【Q3】
法人指定(新規指定時や人員基準管理)、毎年行われる集団指導(介護保険に関わる事業所としては必須研修)など、運営の適正化に向けた体制整備にどのように取り組むのか。


【A3】
福祉事業所を新たに開設する際は、市において「指定」を受ける必要があり、当該指定手続きの中で、設備や人員など、基準を満たしているか確認し、必要に応じて申請者に基準の考え方等をお伝えしております。また、指定を受けた後も、事業所の人員等に変更が生じた場合は、届出が必要となっており、届出を受理した場合も同様に、市は基準にそって届出の内容を確認し、基準等について問い合わせがあった際は、詳細を説明しております。

議員ご指摘のとおり、自治体として、提出のあった指定や届出の書類を審査するだけでなく、福祉事業所の基準への理解を高めて適正な報酬請求につなげ、福祉事業所全体の質の向上を図る責務がございます。そのひとつの方策として、福祉事業所を対象に、介護報酬等に関する制度の説明や、運営指導を実施する中で、特に多かった指摘事項などを説明する機会として毎年「集団指導」を実施しており、報酬改定など、制度が大きく変わる際は、変更点について詳細を説明しております。

また、オンラインにより報酬改定に関する質問を受付け、回答する取り組みも行ってまいりました。また、運営指導は、事業所において直接対面による確認作業と指導を行うため、制度に関する疑問点などを質問する機会にもなり、事業所に対する支援の一環でもあると考えております。

今回の外部委託を機に、さらに、運営指導の実施件数を増加させることにより、指導と支援の機会が増やし、福祉事業所全体の質の向上につなげ、質の高いサービスを利用者に提供できるよう努めてまいります。