阪神水道企業団からの取水量は西宮市全体の約86%を占めています。その阪神水道企業団の尼崎浄水場を含む三か所の浄水場を視察しました。


〇阪神水道企業団 尼崎浄水場

・企業団全体で最大112.8㎡の供給能力。うち尼崎浄水場は施設能力は37.3㎡

・浄水処理の流れ:着水井→凝集沈殿→オゾン処理→活性炭処理→ろ過→浄水池→各市
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・運転管理は民間委託。各現場に機械を二重で設置しており、一台が故障した場合はもう一台で対応。


・検査ではみつからない毒物確認に金魚を活用
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・浄水池が地下にあるため地上を民間に借地。地上にはロイヤルホームセンタ―があり年間5600万円の賃料収入あり。

・猪名川浄水場は直営。尼崎浄水場で必要な管理更新などの対応は職員が尼崎へ向かい対応。

・偶然、ガス製造会社が隣接しており、そこからの酸素により水処理のためのオゾンを効率良く発生させている。
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〇大阪広域水道企業団 庭窪浄水場

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・平成22年度設立

・供給水量:203,000㎡/日
大阪市を除く府内における広域水道企業団の水源のうち75%を占める。残り25%は市町村の自己水源。

・浄水処理の流れ:凝集・沈殿→生物処理→二次凝集→急速ろ過→オゾン処理→粒状活性炭処理→塩素消毒→後ろ過

・民間委託により、中央管理システムで浄水処理過程の水量・水質・運転状況等の監視と浄水処理施設・薬品・ポンプ・バルブ・受変電設備等の制御をしている。
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・メダカによって原水の異常を管理
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・府民の理解を深める取組みとしての屋内展示施設では利き水コーナーがある。ミネラルウォーター2種類(軟水と硬水)と高度処理した水の3種類を試飲できる。
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・事業統合においては料金統一よりもまずは経営の一体化から取り組んでいる。統合後に自己水の割合を減らした、廃止した市もある。
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【所感】
水質に関しては一定の基準を満たせば良く、そのため浄水処理方法が企業団によって異なっている。日本水道協会の指針を参考にしている。両浄水場の比較では、尼崎浄水場の方が処理工程がシンプルであると感じた。

本市では災害等に備えて一定の自己水源が必要との見解であったが、大阪広域水道企業団では統合後に自己水を廃止した市があり、自己水源の在り方についてさらなる調査・研究が必要であると感じた。





〇長浜水道企業団

・昭和38年に旧長浜市、近江町、虎姫町の1市2町による上水道組合が設立

・長浜市全域と米原市のうち旧近江町区域において3つの上水道と6つの簡易水道を経営している。22か所の浄水場と88箇所の配水池や加圧所、1,195kmの管路を管理している。

・下坂浜浄水場1施設のみ有人施設。他は無人施設。24時間体制で監視の業務委託。

・経営効率化として統廃合により7施設を廃止

・資金計画や資産確認といったアセットマネジメントを民間活用により今後取り組んでいく。

・採用:平成26~27年をピークに減少している。分母(採用受験者)を増やす試みをしているが成果がでにくい。就職サイトや関連するフォーラムを活用している。

・技術継承:職員全員がプロパー。県等と連携して研修を実施するなど県全体で職員の研修に取り組んでいる。

・有収率が75%。経営統合前の簡易水道事業ごとに料金が異なっていたこともあり、料金統合が課題となっている。地下水が豊富で原価が低い事業所と膜処理が必要で原価が高い事業所では月20㎡あたりで875円違う。
・県内での更なる広域化について:大津市や草津市などは独自で経営している。自治体によって面積が異なるなどの原因でコストが異なる。

【所感】
・供給先をお客様としているのが印象的であった。
・滋賀県内の更なる広域化について、そういった考え方はあるが、統合後の料金設定が大きな課題となるため難しいと感じた。
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