〇これまで職員が時給換算2500円×4時間=10,000円で超過勤務をして行っていた業務を、時給換算1500円×4時間=6,000円で委託することで、超過勤務がなくなり、コストが4,000円下がりました。
→削減効果のある委託

〇これまで職員11人(年880万円×11人=9680万円)でしていた業務を4,000万円で委託しました。その業務に携わる職員は5人削減(4400万円)されました。でも、その職員が他の部署へ異動しました。職員総数は減りません。それどころか、歳出は4000万円増えました。そして、その業務に関して職員が持っているノウハウは失われました。
→削減効果のない委託

ということで、歳出削減を目的とする業務委託については市全体としての人件費削減効果とセットであるべきという趣旨で質疑をしました。長いため、今回は前半となります。

品質アップのために委託をすることもありますが、今回はその件には触れません。以下は当日のやりとりのメモです。正式な発言は後日作成される会議録でご確認ください。

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 先日、10月12日の教育こども常任委員会において「西宮市学校施設包括管理業務委託の検討について」の所管事務報告がありました。 概要は、63の学校施設の維持管理に関する業務を、元請けとなる事業者が一括して担うことで、民間事業者のノウハウを生かした管理品質の向上や、職員の事務負担軽減などの効果につなげるというものです。詳細は過去の投稿をご覧ください。



市の説明資料に記載されたコストイメージです。一見すると、委託することで委託費は増加しますが、それ以上に人件費が削減されるように感じるかもしれません。 

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しかし、このイメージ図は学校の管理や施設保全業務に限ったコストイメージであり、市全体でのコストイメージはしたの図のようになります。

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学校管理や施設保全業務に携わる職員数は11人から6人に減ることとなりますが、市全体でみると、この減った5人を退職不補充とせずに市役所や教育委員会事務局へ異動するのであれば、異動先の課の超過勤務が減少にはつながるかもしれませんが、5人分計4400万円の人件費はそのままで残り、委託費として増加が想定される4000万円が増えるだけということになります。

正式な議事録は完成していないため、速報版の引用ですが、教育委員会は「長寿命化改修や改築等の業務に充てることができましたら」と答弁しており、行政需要が高い別の業務に人員を充てたい意向を感じます。一方で、「厳しい財政状況を改善するという目的も包括管理の一つ」「この趣旨をふまえた上で人事担当部局が市全体の中で作業計画を含めた配置を検討することになるのではないかと考えて」いると答弁しています。

経費削減を目的とするのであれば、
〇部局内や対象業務という範囲内ではなく、市全体で採用抑制により△人の職員数を削減 ・職員の総数を削減

しない場合は、
〇委託業者の努力による修繕費や維持管理費の削減 ・超過勤務手当削減 などにより、この事例においては、市全体として最低でも委託費以上の削減効果が必要です。

それは所管事務報告、議案として議会に示す時点で合わせて説明すべきです。市全体で歳出削減につながらないのであれば、「委託費の分歳出だけが増ました」。しかし、「職員が持つこの業務のノウハウは失われました」と委託することによるデメリットしか発生ありません。

【質問】
今後の業務委託について、市全体の人員計画など具体的な経費削減効果も合わせて示すべきと考える(これまでの考え方や実態と合わせて)が市の見解は?

<次回に続きます>


渡辺けんじろう公式サイト