保育士の処遇が全業種平均よりも低いことはもはや社会問題ともいえますが、それを改善するための研修を受講しようとしても、申込開始とともにすぐに定員いっぱいになってしまいます。それを改善するための提案です。正式な発言は後日作成される会議録をご覧ください。

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私立保育所等に勤務する保育士等を対象として、処遇改善と専門性の向上を図ることを目的とする「保育士等キャリアアップ研修」が平成29年度からはじまりました。 現在、西宮市私立保育協会が市からの補助金により研修を実施しています。

園長、主任保育士とは別に、
〇月額4万円の処遇改善の対象となる、副主任保育士、専門リーダー
〇月額5千円の処遇改善の対象となる職務分野別リーダー
が対象となります。それぞれ概ね7年以上、3年以上といった勤務年数や研修修了といった要件があります。

研修修了は令和4年度までは要件として適用されていませんでしたが、今年度から段階的に適用されるようになります。令和8年度には副主任保育士、専門リーダーであれば、4つ以上の分野の研修を修了する必要があります。要件を満たす勤務年数であっても、研修を受講できなければ、処遇改善の対象から外れることとなります。そのため、要件が適用される今年度は、4/1の10時に申込スタートで、すぐに定員が埋まったそうです。

研修受講対象となる保育士等がより多く参加できるようにするための対策として、定員が多い研修会場を確保することが挙げられます。しかし、キャリアップ研修のために市の施設を利用する際、一般枠での申し込みとなり、そのような会場の確保が難しい現状があるとも聞きます。キャリアアップ研修によって、保育士等のスキルアップによる質の向上、処遇改善により、職員の定着につながっているという声を聴くこともあります。より多くの保育士等が受講することは本市の保育の質向上に直結します。


【質問】
保育の質向上という観点から、公民館の定期利用グループのような優先利用や、各部局が所管する定員が多い会場確保をサポートするなど、市としても受講機会の確保に取り組むべきと考えるが、市の見解は?


【答弁】
近年、子どもや子育てを取り巻く環境が変化し、保育所等に求められる役割も多様化・複雑化する中で、保育士には、より高度な専門性が求められるようになっており、各種の研修機会の充実によって、その専門性を向上させていくことが重要な課題となっています。一方で、かねてより、保育士の賃金水準が全産業平均を下回るという処遇が課題とされ、国において、公定価格上の保育士の賃金改善に向けた取組が進められてきました。

その流れのなかで、技能・経験に応じたキャリアアップの仕組みを構築することを目的として創設された処遇改善等加算Ⅱでは、保育士等キャリアアップ研修の受講が加算適用の要件として位置付けられたところです。このように、保育士等キャリアアップ研修は、保育士のスキル向上・処遇改善の両面に関わる重要な取組として、着実な実施が求められております。

現在、本市の保育士等キャリアアップ研修は、西宮市私立保育協会が会場を確保し実施しておりますが、処遇改善等加算Ⅱについて令和5年度から段階的に研修修了要件が適用されたことを受け、受講希望者が急増しており、それに対応できる規模の会場確保が困難となっております。本市としましても、保育士等キャリアアップ研修の重要性は強く認識しており、その受講機会の確保に向けて、今後は、市並びに関係機関が保有する施設の活用を含めた検討を進めてまいります。