静岡県において、保育士が子どもへの暴行の疑いで逮捕されました。以降も不適切な事例がメディアで報道されています。「コロナの影響で業務が増えた、気を遣うことがふえた」ことを理由にしているようですが、不適切な対応の理由にはなりません。一方、労働環境や他業種と比較して低い賃金など待遇の改善は保育業界の課題です。

感染症対策による消毒業務など更なる業務負担。今回の件で保育自体が厳しい見方をされるようになれば精神的な負担も増えるでしょう。このまま負担が増え続ければ、保育士の保育所離れにつながるのではないかと危惧しています。

保育士がいなくなれば、施設があっても保育定員が減り、保育できる子どもの人数は減少します。そうなれば再び待機児童数が増えて、働きたくても働けない保護者も増えることになります。


まずは、
①保育士の配置基準
についてです。

メディアで不適切事例と合わせて取り上げられることが多い保育士の配置基準。保育士1人で何人の子どもに対応するかという国が定める基準です。逮捕者の1人が 「園児が呼びかけに応じない」「給食を食べない」「水や牛乳を飲まない」ことにストレスを感じたと報道にありました。1歳児ではあることです。その時点で食べた量にもよりますが、「ゆっくり待ちながら、一緒に食べれば良いんじゃないの?」と感じる方がいると思います。1対1で子どもと接していれば、それが一般的でしょう。

国の最低基準では1歳児の場合、保育士1人で子ども6人を保育することになります。最低基準となっていますが、保育士を増やす場合、園の持ち出しとなります。複数園を経営する法人などでは工夫している園もありますが、他業種平均と比較して高くない賃金が課題である保育業界において、人を更に増やせるほど経営的な余裕がある園が多いとは思えません。

話しは戻りますが、1人にゆっくり関わるということは、他の5人と関わることができないことになります。12人定員の場合、1人にゆっくり関わると、他の11人の子どもを1人で対応することになります。給食の後は着替えてお昼寝という流れが一般的です。1歳児が自分の衣服を自分の棚から取り出して、自分だけで衣服の着脱をすることができますか?それでも、保育士はそれぞれの子どもが自分1人でできること、援助があればができること、援助が完全に必要なことをそれぞれ把握した上で、子どもひとりひとりに応じた対応をします。他にも戸外への散歩など今の配置では明らかに無理な場面は複数あります。

保育所保育指針の改定により、地域への子育て支援をはじめ保育士の役割が以前よりも広く求められるようになり、更に消毒など感染症対策といった気をつかう業務が増えていますが、保育士の配置基準は70年以上も変わっていません。

1歳児を1:5にするなど、国でもようやく基準を見直す方針が示されましたが、時期などはまだ不明です。そもそも、西宮市のように国が改めようとしている基準よりも手厚い配置をしている自治体には何の影響もありません。0歳児の1:3、3歳児の1:20も見直すべきです。

タイトルなし1

次回はカメラの設置や市がすべき対応についてです。


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