に続く最終回。保護者と保育士で考え方が異なる「保護者が自分の仕事の休日(以降は保護者の休日)に保育所を利用すること」についてです。


法的には・・・
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児童福祉法 第三十九条
保育所は、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設(利用定員が二十人以上であるものに限り、幼保連携型認定こども園を除く。)とする。

② 保育所は、前項の規定にかかわらず、特に必要があるときは、保育を必要とするその他の児童を日々保護者の下から通わせて保育することができる。
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となっています。

では、保育を必要とするとは何?となりますが、内閣府が発行している「子ども・子育て支援制度なるほどBOOK」によると、

タイトルなし

〇就労(フルタイムのほか、パートタイム、夜間、居宅内の労働など)
〇妊娠、出産
〇保護者の疾病、障害 ・同居又は長期入院等している親族の介護・看護
〇災害復旧
〇求職活動(起業準備を含む)
〇就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)
〇虐待やDVのおそれがあること
〇育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
〇その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
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となっています。

飯田市のサイトでは詳細に記載されています。3つ目に関しては「長期にわたる疾病」とあり、通院は読む限りでは対象外ですね。


一方、保護者の休日に通院、育児での疲れのリフレッシュなどのために子ども預かる対応をしている園はあります。平日であれば保護者の休日に保育所を利用しても、全園児が登園することを前提とした保育士の人数を配置しているため、保育士の配置不足にはなりませんし、担当クラスの保育士が各園児の性格や登園時間、家庭状況などを理解しているため、通常の登園時間に登園していない場合も把握はしやすいです。

しかし、土曜日に関しては事情が異なります。土曜日は園全体で登園児数が少ないため、1歳児と2歳児合同など平日と異なる運営となることがあります。また、保育士は基本週休2日ですが、保育所の休みは週1日のみ。したがって、土曜日に出勤する保育士は平日に休みます。0歳児~5歳児クラスそれぞれの常勤保育士が交代で土曜日に出勤する場合、土曜日には平日と担当保育士が違うことになります。

また、土曜日に想定していない園児の利用が増えると、保育士の配置に影響を及ぼすことになります。例えば、0歳児3人、1歳児3人、2歳児3人だと最低必要な保育士は2人ですが、予告なく、それぞれの年齢で1人ずつ登園児が増えれば、3人の保育士が必要となります。土曜日に余裕を持った配置をすることは、全園児が登園する(であろう)平日の保育士の人員を減らすことにもなるので、難しいでしょう。

今回の出来事は報道によると、仕事の休日に17:00過ぎに迎えにいったとのことです。あくまで仮定の話、結果論かもしれませんが、保護者の休日の利用に関してルールがあれば、悲しい出来事は発生しなかったかもしれません。

子どもの体調が悪くなって保護者の職場に連絡すると、休日だったということもあります。保護者の休日に体調のすぐれない子どもを登園させて、結局は子どもの体調が悪化して、すぐに迎えを依頼するということもあります。保護者がどうしても通院しなければならない場合等もあると思いますが、保護者の休日の保育所利用に関して、お互いの信頼関係を前提として、事前の申告、利用時間など一定のルールを設定する必要があると考えます。

4つの視点から対策と課題を述べました。あってはならないことですが、人間であれば、ミスや忘れるということはあります。忙しい状態だとなおさらです。現場を知らない人が誰の責任だというだけでなく、現場の実態に合わせた対策が不可欠です。

次回は保育所における虐待についてです。


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